働くということ④
皆さまこんにちは。
ご紹介しております、講談社より発売されている
『働くということ』より
私が気になった言葉、一文を
本日は第七話~第九話までご紹介します。
◇第七話 労働の麻薬なような側面
主人公(社会人)就職して6年目
結婚し家庭を持ち子供誕生
〇主人公 支えるべき家族の存在を僕は否応なく
意識させられた ひそかに生涯の仕事と心に定めていた
小説の執筆は一向にはかどらず…
僕は追いつめられるのを感じた と同時に
内からの希求と外からの要請との結実点に
立つものとして、仕事が僕に迫ってきた…
同じ課の先輩と食事での話
〇主人公 つねづねおかしいと思ってるんです
会社員というのは職業なんですかね?
この呼び方は僕らの労働の実質を
示していないと思うんですよ…
▲先輩 呼び方なんてどうでもいいさ
会社ってのは労働者から搾取する場だからな
そこでの労働に意味や喜びを求めるのは…
俺に言わせりゃ堕落だね!
何もサボろうっていうんじゃないぜ…
給料分の仕事はするさ
ただ効率よくやるのが俺の主義なんだ
【少し話は進み…】
▲先輩 俺としたことが…
馬車馬みたいに働いちまった…
労働ってのはまったく、麻薬みたいな所があるよな…
俺は案外厳しさに飢えているのかもしれないなぁ
自分の仕事に結構感激して、昂揚しちまったよ…
〇主人公 立花さんも堕落しましたね
〇主人公 熱心に働けばいいと勤労精神に
鼓舞するつもりはない… ひとたび麻薬の味を
知ったならそれを逆手にとって自らの労働を
見つめ直してみたいと…
でも何が僕らを熱中させるのだろう…
金銭でははかれない 労働の手応えの実質
麻薬の正体とは?
◇第八話 会社員ではなく、職業人であれ
主人公(社会人)と元管理職で会社に反旗を示した事で
窓際に追いやられているの先輩との会話
▲元管理職の先輩 セールスマンは顧客に頭を下げつつ、
製造部門に不満を抱くだろうし、製造の現場では設計の
指示通り仕事をしただけだと考えるだろう
設計部門はコストダウンばかり言う商品計画部門を
なじり、計画部門は開発予算を締め付ける管理部門の
無理解を嘆き、製品を作り消費者に届ける過程の一部に
しか参加していない人間が… 製品について責任を
持てないのは当然だ! 生産と消費の輪の中に自分の足で
立っている実感を持ちえぬ現代の会社員に働きがいなど
見つかるはずもない…
〇主人公 そんな風だから平気なんですね
無気力に一日過ごすのも…
あなたはにはちっとも苦痛じゃないんですね
だが僕は間違っていた… それが明らかになったのは数日後
〇主人公 鈴木さん 教えて下さい
あなたの行動の理由を知りたい 会社への意趣返しや
自暴自棄の結果とは思いたくない
▲元管理職の先輩 見失いたくなかったのだよ
働くことの意味を…
私は車を作る仕事に誇りを持っている 会社は嫌いでも
製品は好きだと自信を持って言う事ができる
もしもこの問題をうやむやにしたら私は…
自分が何の為に働いてきたのかわからなくなってしまう
〇主人公 でも…あなたは言ったじゃないですか?
現代の会社員に働き甲斐など見つかるはずもないと…
▲元管理職の先輩 確かに言った…
だが私は自分を会社員だとは思っていないんだ…
私は職業人でありたい。
◇第九話 職業のありか
主人公(入社10年目)調査課から宣伝部へ異動
主人公と広告代理店のディレクターとの会話
〇主人公 だけど君とあのフィルムを作って僕は思った…
たとえ2~3年で異動してしまうとしても…
目の前にある仕事の中に職業を求めるべきだと
▲ディレクター 求めれば手に入るんですか?
〇主人公 そんな保証はないさ でも…
求めて得られないのと、求めずに得られないのと
では違う 得られるのが失望でしかなくても、
求めたものの影は心に残る…
それがある限り僕は諦めずにやっていけそうだ
〇主人公 会社で働く人間が自分の職業を考えた時、
会社員と自問してはならない それでは彼はただ、
命じられるまま唯々諾々と働く存在に成り下がって
しまうだろう たとえ困難でも会社員は会社の中で
自分の職業を求めなければならない
職業は名刺の肩書ではない
ドアの掲示に書かれているのでもない
日々の具体的な仕事の中にしか、
見つかりはしないのである。
いかかでしたでしょうか?
学生、新入社員、中堅、ベテランの皆様にも
何かを感じて頂ければとてもうれしいです。
※明日はいよいよ最終話第10話をご紹介します。
ではまた。